※以下ネタバレ
夢の中で、プロ棋士を諦めて田舎に帰り、
暖かい家庭を作りながら、それでも胸に後悔の念を抱きながら日々を送る。
そして目を覚まし、全てを将棋にかけてきてなお
7番勝負で3連敗している現実に立ち戻る。
「どっちが悪夢がとことん味わってやろうじゃねーか」
そんなセリフを吐くシーンがとてもいい。
セリフはかっこいいのかとも考えたが、別にこのセリフじゃなくて
「あっちも地獄か」みたいなセリフでも盛り上がりはそこまで減じない。
つまりはセリフがいいと言うよりもそこまでの流れがいい。
比較として棋士を諦めた場合に送れる暖かい人生を持ち出すことで、
ここまで犠牲にしてきたものの大きさを描くと共に、
その暖かい暮らしの中にすら呪いとして残る将棋への強い思いを描くことで
3連敗という現状がどれだけの状況かというのを想像させている。