amazonのあらすじ
炎のように激しく全力で己の生を貫いた男・水戸光圀。父に挑み、兄を慕い、妻を愛し、天に吼え、そしてこの国の「歴史」を確立した不世出の男を、『天地明察』の冲方丁が生み出し、『イムリ』の三宅乱丈が描き出す!
最も好きな漫画家の1人
悟るような心理描写が多いのが特徴。
まずは全5巻のPETがお勧め。
光圀伝も全7巻なので気軽に読んでみて欲しい。
好きなシーン ※ネタバレあり
・近しい人が亡くなっていくシーン
歴史ものの良さは、創作と違って人死に必然性がある所。
創作だとどうしても作者が死を決めたという事実が邪魔するときがある。
歴史ものの死は創作よりも重さを増し増しで表現できる。
・「意到筆随」「これが二十位歳で書く文章か」
めっちゃ言われてみたい褒められ方!
・「哀れすぎて殺してやりたくなる」
言ってみたい。
最初にラストを書くことの効果
本作は最初にラストの展開を書いている。
本作に限らずそういうやり方は他の作品でもある。
物語全体のラストじゃなくてもその1話のラストを書く場合もある。
効果としては、結末を書くことで「どうしてそうなった」と思わせ、先を読みたいという気持ちさせることがだと思う。
本作の場合も最初に「紋太夫を殺す」という結論が書いてあり、途中で紋太夫が登場してとても良キャラとして扱われていく中で「どうしてこいつが殺されるんだろう」という気持ちで先を読んでいくことになる。
殺されるという結論ではなく、殺される理由をニンジンに読んでいくわけだが、前者<後者になっているかは本作では怪しい。
特に最初は「紋太夫って誰やねん」状態で、5巻の後半でようやく出てくる。
出てきたときは「こいつが紋太夫か」とは思ったが、さすがに引っ張りすぎな感はあった。ほぼ忘れてたよ、と。