漫画の感想

読んだ漫画の感想を書く。ネタバレ多少あり。twitter:hunbaba_manga

ヒカルの碁

異世界転生のような無双劇によるカタルシスを導入に使い。

王道の主人公の成長物語につなげていく。

第1幕のラストは圧巻。

頂上決戦と別れ、そこからの立ち直りという最高の流れ。

 

※ここから激しいネタバレ

 

 

導入での無双劇。

実はいきなり佐為が打つんじゃなくていったんすかす。

異世界転生で開始数ページで都合よく戦闘する展開とは違う。

いったん溜めたことで佐為が打つ時のカタルシスを増加させてる。

 

最初のアキラとの一戦。丁寧にふってる。

 

そしてこの名ゼリフ。

「これは最善の一手でも最強の一手でもない」

落差での演出が凄い。

 

更に追い打ちのように自然と第三者から入る衝撃の情報。

やっぱジャンプの序盤は練られ方がやばい。

 

小技も上手い。

アキラとsaiとの対戦でプロ初日とかぶってることにしたりとか。

読んでると普通に受け入れるけど思いつくのが難しそう。

 

岸本のエピソード。

フリを読んだ時に感じる理不尽さ。

少し溜めて、次の巻で回収する。

 

更に院生のレベルを印象付ける効果もある。

めっちゃうまいやん。

 

アキラとのプロでの初戦。

普通に初対局って見せるだけで盛り上がる所に一捻り。

こういう丁寧な演出も欠かさない。

 

 

そして第1幕の最高の見せ場である佐為VS行洋。

その真剣勝負の舞台を作るこの辺のやり取りも秀逸。

めっちゃ推敲されてそう。

 

第1幕の最後は伊角さんとの因縁を活かしてこの展開。

こういうところはベタで攻める、そういうこと。

 

以上、第1幕の感想。

 

 

続いて2幕。

2幕で勢いが落ちる漫画もある中この漫画は違う。

読み返そうと思った際はむしろ2幕が楽しみだった。

とはいえ読み直したら1幕も最高だった。

 

記憶に残ってるのはこのシーン。

右下のあの表情させといて主人公から辛辣な言葉。

そしてまた左上の表情、からの主人公無表情。

 

この展開も良い。

自分ならヒカルと社を分けてる。

社が普通に越智に勝って強さを見せる。

過去の今日キャラを倒すパターン、よく見る。

そうじゃなくこのやり方は越智のキャラも立つ。

社の強さも調整される(インフレっぽく見えない)。

 

同じような手法でこのシーン。

サブキャラにスポットを当てつつ。

主人公の成長を裏付ける効果も出す。

 

主人公が大将になる流れも良い。

碁を打つ理由を語り、悔し涙するシーンも良い。

ちゃんと塔谷以外2連敗という現実的な結果にしてるのも良い。

 

以上。

全23巻で何度も読み直せる名作。

Kindeに入れておいて損はない。