数年ぶりに2度目の「ミッドナイトスワン」。
その際に「キーチ!!」という漫画を思い出した話。
「ミッドナイトスワン」は草彅剛がアカデミー賞を取った作品。
トランスジェンダーのなぎさと親から愛を注がれることなく生きてきた少女・一果)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描いたストーリー、らしい。
※以下ネタバレ※
「キーチ!!」を思い出したのは、コンクール失敗後の展開。
外国で性転換手術を受けて実家に一果を引き取りに押し掛けるシーン。
性転換したからあなたのお母さんになれる、と主張する主人公。
しかし実母やガテン系の男に追い返される。
トランスジェンダーを描いた作品という触れ込みだし、主人公は中途半端な性が原因で一果を助けれないと思っており、だから性転換手術をしてきたという流れだ。
そこで思い出した「キーチ!!」のシーンがこれ。
簡単に言うと「トランスジェンダー関係ないよね?」って話。
必要なのは4つの力、金、情報、法、暴力。
まず情報と法律。
実母のネグレクトの証拠を揃え警察やメディアに出せる状態にしておく。
そして金。
引き取るには金が必要だし交渉においても有効。
最後に暴力。
最終的にガテン系の男に無理やり追い出されるが、ガチムチになって暴力の臭いを漂わせておけば、こういう扱いは受けなかったはず。
主人公が自分の要望を通せなかったのはこれらを全く備えていなかったから。
そしてそのことを直視せず、トランスジェンダーという悲劇の主人公的な物語に酔って性転換手術という相手(一果やその周りの人間)目線でなんの意味もない対策を打ってしまっていたこと。
LGBTだろうがなんだろうが、金持ちになって弁護士と地元のヤクザ連れて話にいけば引き取れた可能性は高い。もちろん一果が見てないとこでやればよい。
その辺も含めて弱者の物語を感傷的に描いたという意味でこの作品が面白くないと批判したいわけではない。2回見るくらい好きでもある。
ちなみに「キーチ!!」の方は無理やり売春させられてる同級生のためにそういう戦いに出る。「キーチ!!」に興味がある方はどうぞ。
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